「オートモビルカウンシル2020」レポート
見られる、買える!ヴィンテージカーショーで気になるクルマをチェック!

文・写真/内田栄治

今回で5回目の開催となるオートモビルカウンシルが、7月31日(金)~8月2日(日)までの期間、幕張メッセにて開催された。
コロナ禍の影響で何度かの延期の末、入場者数の制限や検温、消毒の徹底、入場者登録および万が一感染者が出た時のアラートアプリの導入など、感染防止対策を徹底しての開催である。
主催者の一人であるカーグラフィック社代表の加藤哲也氏も開催可否について、そうとう気を揉んだとのこと。クルマ文化の祭典でもあるこのイベントが無事開催できたことをうれしく思う。

オートモビルカウンシルは「CLASSIC MEETS MODERN」をフィロソフィーに、単なるヘリテージカーの展示にとどまらずクルマ文化を発信していく場である。今回もとても貴重なクルマが展示されていた。

会場入り口に展示された手前の赤いクルマは、主催者展示テーマである「60年代ル・マン カーの凄みと美」を象徴するイソ・グリフォA3/C。
実際に1966年のル・マンに出場したクルマだ。設計者は、あのフェラーリ250GTOを設計したジョット・ビッザリーニ。世界で6台しかないワークスカーの1台で、このクルマがここに並ぶのは奇跡に近い。

もうひとつ目を引いたのはHONDAのコーナー。
「世界の頂点をめざし続けるチャレンジングスピリット」として、二輪レーサーとともにF1カー RA300が展示されていた。1967年のイタリアGP、ドライバーはジョン・サーティース、デビュー戦でいきなり優勝したマシンである。
エンジンは2,992cc・水冷90度V型12気筒NAのRA273E、シャーシーはローラ製。とても美しくレストアされていて、しかも動態保存とのこと。
その他メーカー系では、MAZDA創業100周年の記念展示や、セリカ50周年を記念したトヨタ博物館の展示も充実していた。

ヘリテージカーの販売コーナーも魅力的なクルマであふれていた。
「ポルシェ ジャパン」からは1965年モデルのポルシェ912。912とは6気筒ではなく356SCと同じ水平対向1.6L・4気筒エンジンを積んだモデルである。いまよりシンプルでスリムなナローボディが美しい。

クラシックシトロエンで有名な「アウトニーズ」からは、1972年シトロエンD Superが出展されていた。完璧にレストアされた特徴的なボディラインはいま見てもとても魅了的である。

「オートロマン」から出品されていた、まるで新車のような1956年式のC1型初代コルベット。4,300cc・V8OHVエンジンを搭載。1956年と言えば、セブリング12時間レースでコルベットSRがクラス優勝した記念的な年でもある。

ボルボカーズ東名横浜に併設される「KLASSISK GARAGE」からは、いまこのクルマに乗ったらとってもかっこいいであろう1969年式のVOLVO Amazon122S (Photo6)。VOLVOはこの年代であっても部品は豊富とのことなので、愛情あるクルマ好きの方に乗って欲しい1台。

そして、まるでヨーロッパのコーチビルダーが作ったような美しいクルマ。実は1970年のMAZDAルーチェ ロータリークーペ。「ヴィンテージ宮田自動車」からの出展だ。エンジンはもちろん、ロータリーエンジン13A型。最初で最期のロータリーエンジンを搭載したFF車となった。生産台数は976台という貴重車種である。

「AC-MINDS」からは、英国車を代表するライトウェイトスポーツ LOTUS ELAN Sr3 FHC。 FHCとはフィクストヘッドクーペでクローズドボディのこと。対してオープンボディのことをDHC=ドロップヘッドクーペと言う。当時、ロータスツインカムという言葉にとても憧れたものである。

そして、オートモビルカウンシルには欠かせないレンジローバー。クラシックレンジの専門店であり毎年出展している「RANGERS」からは、初代クラシック レンジローバーが展示されていた。バーガンディの美しい車体、元々はデモカーだったこちらのクルマ、ヘッドライトのLED化やインテリアの見直しなど、要所は現代に合わせてモダナイズされている。適度なボディサイズとエレガントなデザインは、いま見ても魅力である。

そして筆者が最も気になった1台。1994年式のジャガーXJS4.0クーペ。まるで新車のようなコンディションなのに、考えられないほどリーズナブルな価格(在庫確認したところ初日に売れてしまったとのこと)。この時代のジャガーのクーペはエレガントの極みだ。

オートモビルカウンシルでは、カー用品やクルマに合うファッションなどを扱うマルシェと呼ばれるショップもあり、こちらの充実ぶりも見逃せない。
毎年出展している「スクーデリア46」。クルマに合う女性向けファッションなどを提案しているこちらのお店、エレガントな洋服にコーディネートしたジャガーEタイプは、代表の個人所有車とのこと。

また、筆者も思わず欲しいと思った「はりがね工房Valors」のワイヤーアート。写真があれば希望のクルマで作成可能とのこと。是非一度、自分の愛車で作成をお願いしてみたい。
その他、ドライビンググローブやミニカー、クルマのアクセサリーからカーケアグッズまで多数のショップが出展していた。

オートモビルカウンシルは5回目を迎え、ヘリテージカーの展示にとどまらず、クルマを中心とした文化の発信、クルマのある生活を楽しむ場としてよりいっそう充実していた。今後のさらなる発展に期待するとともに、日本にもヨーロッパのようなクルマ文化が花開くことを願うばかりである。

内田栄治
横浜市出身の59歳。IT業界に身を置きながらも、服飾関係やクルマ業界に友人知人が多く、銀座でファッションやクルマ、写真などのトークショーを開催。自身も複数の英国車を所有するクルマフリークで、94年のジャガーXJ-S DHCが現在のお気に入り。