準備編⑦  宝の地図

文・写真/侍ライダー 木村峻佑

出立の時期、3月が近づいてきた。

…そろそろ、どのような順路で日本を巡るかぐらいは考えねばならなくなってきた。

当たり前のことだが、日本一周のルートはマラソンの如く決められたものではないので、人それぞれの好み・感性によって、その道のりは千差万別となる。

例えば、古き良き日本が好きな人は神社仏閣を巡って御朱印帖を埋めてみたり。

山梨県・北口本宮冨士浅間神社

現代の日本文化LOVEな人は、アニメの聖地を巡って妄想を膨らませたり。

東京都・DiverCityTokyo

はたまたダムを巡ったり、ラーメン探求など、まさに旅のルートは人を写す鏡である。

さらに、その移動内容も、国道限定とか野草を食べるとか…独自のスタイルを確立している人はたくさんいらっしゃる。

で、私の場合はというと。・・・まぁ、なかなか珍妙なコスチューム(道着)で走るので、個性的なスタイルは確立できていると思うのだが、決めあぐねているのはルートである。

実は私、“日本一周”という呼び方はあまり好きではない。だって、“一周”だと海沿いばかり走っているイメージになってしまうじゃないか…。

そりゃあ私のバイク的には、ストレートが多い海沿いは走りやすいだろう。だが、ラクな道ばかり通ってラクに旅を終えるのは、私の旅美学からズレている気がしてならない。私が求めているのは、“日本一周をした”という記録じゃない。日本の、可能な限り全てを見てみたいのだ。

となると、やはりルートはこれだろう。
「47都道府県制覇」。
各都道府県で、何かしら有名な観光地を見ることができれば…まぁよしとしよう。
それでもって、旅の期間は1年間とさせていただく。せっかく津々浦々を巡るのだから、春夏秋冬を味わいたいではないか。春先から出かけるから・・・北へ向かって走り始めた方が良いだろうか?

…と、えらく大雑把な計画だが、ひとまずの旅のしおりはできあがった。
ちょいとペンを取り、ルートを描いてみる。

一筆書きをしてみたかったのだが、兵庫あたりで手詰まりしてすごく悔しい。
というかそもそも、北海道や沖縄を往来する際、青森や鹿児島を二度踏んでしまうのだが。

御朱印帖を集めたり、道の駅を制覇したりとか、個性的なルートとはいえないかもしれない。だが、実際に自分で自分の道を描いてみると、どこか高揚するものがあるから不思議だ。
この道を走破したら、きっと新しい何かを見い出せる気がする。もし見い出せなくても…笑い話の一つや二つはできるようになるだろう。
さしずめ、これは私だけの宝の地図、といったところだろうか。

…それにしても。

北海道ってデカすぎないか!? 大丈夫なのか…!?