滋賀編 夏滋賀のススメ

文・写真/侍ライダー 木村峻佑

夏場にツーリングに行くなら、どこが良いか。
湘南あたりを流すのも気持ちいいよね。
きらめく波を横目に、西湘バイパスを突き抜けたり。
長野あたりで山に登るのもいいよね。
ビーナスラインなんかで標高を上げると、胸のすくような風が吹きつけてきてさ・・・。

けれど・・・
いま、私の中で夏にお勧めしたい場所。それは滋賀である。
海ないよ? 高い山もないよ?
でもさ・・・

「ぶわぁああああ~~~~~!!」
琵琶湖があるじゃないかっ!

滋賀県といえば、琵琶湖である。むしろ、そのイメージしかないという人もいるだろう。地元の人ですら、“琵琶湖ぐらいかな・・・”なんて言うのだから。

本当はメタセコイア並木道とか比叡山とか安土城とか、魅力がいっぱいの場所なんだけどね。

私も例に漏れず“琵琶湖でも一周するかな~”なんて考えていたのだが、到達して早々、あまりの暑さに「海水浴もしたことないけど・・・入っちゃえっ!」と“湖水浴”を始めたことから、そのありがたみがメチャクチャわかった。

当たり前だが、琵琶湖は海ではない。つまり、満たしているのは潮水ではなく、淡水なのだ。だから、頭の先まで浸かったとしても、海と違ってシャワーを浴びる必要がないのである。それは荷物やお金が限られる旅人にとって、何よりうれしいことなのだ。

そんな手軽さをもちろん知っているのだろう。週末ともなれば、湖畔は大勢の湖水浴客や水上バイクであふれかえることになる。
遠浅で高波もない。子どもたちも比較的安全に遊べる。滋賀県民にとって、琵琶湖は想像以上に親しみ深い存在のようだった。
そんな場所であるのだから、当然の如く周遊道路も整備が行き届いており、走りやすい。すれ違うライダーも多く、手を振った回数も覚えていないぐらいだから、走って良し、泳いで良しと、夏にイチオシなのが滋賀県なのである。

また、湖畔には駐車場付きの緑地が多いのも旅人身分には非常に助かった。
各々家族でテントを運び込んで余暇を過ごす人はもちろん、グランピング施設なんかで手ぶらで楽しんでいる家族も見られる。

もう、あまりにも絶好のロケーションである。
冗談じゃなく毎日のように琵琶湖に浸かり、陽が暮れるころには虫もお構いなしに前室を開け、光り輝く湖畔を寝ころびながら眺める。こんなに贅沢な野宿ができる県は、初めてだった。

“琵琶湖しかない滋賀県”なんて軽んずるのは、よろしくない。“琵琶湖があれば十分”なのが、滋賀県なのだ。
ああ、離れたくないなぁ、滋賀県・・・・・・。