風来記 締めくくりの言葉

拙い文の塊でしたが、お読みいただき、本当にありがとうございました。

はじめに、もう春なのに年末の出来事を書いてしまったことなどなど、終盤は季節外れの記事になってしまったことを、心よりお詫び申し上げます!
私の力不足で、後半は旅の予定を短縮していたからなのです。本当に、それだけが心残りです。
しかし逆に言えば、それ以外は本当に満足のいく旅でした。

私は、特に頭が良いわけでも、運動神経に優れているわけでもありません。
取り柄もなければ、金もないし、何だったら彼女もいない。
いたって平々凡々の人間です。
しかしある時、そんな自分だからこそ“なんかチャレンジして、それを達成できたら、カッコいいんじゃないか?”と思ったのが、旅に出た理由の一つでした。

私は野宿どころか、バイク旅で一泊した経験もない人間だったから、旅に出てすぐの頃は、もう本当に絶望していました。寂しいし、ひもじいし、恐い……。「帰りたい」って何度呟いたことか。

でも……
テレビでしか見たことがない景色をこの目に写したり。
何の変哲もない場所で、出逢った人に食材をいただいたり。
各地の温泉に浸かって情けない声を出したり。
そんな時を重ねることで、いつの間にか、“次はどんな場所に出逢えるんだろう”とワクワクしながら、鼻歌交じりにバイクを操っているようになりました。そして気付いたら、全都道府県踏破を完遂していました。

ちょっとした勇気と、好奇心さえあれば、案外できてしまうものだったんです。
ですから、どうか皆さま。
“あんなどうしようもない木村でもできたんだから、俺にも何かできるだろ”と思ってください。
きっと画面の前の貴方は、私よりも優れた能力をお持ちの筈です。それを信じて、何がしかチャレンジしてみて、世間を少しでも賑やかにしてください。
間違っても、心ない人たちの悪口を鵜吞みにして、貴方の旅を止めたりなんかしないでください。

逃げ出したって良いんです。
それは、どこかへ前進しているということなんですから。

失敗したって良いんです。
その分、自分がどんな人間なのかを知ることができますから。

風のように、気楽に、気楽にいきましょう。
皆さまの人生に、四方万里を渡る風が来たりませんことを。

そしていつか、新たな旅路で貴方と出逢えることを信じて。

侍ライダー 木村峻佑